バングラデシュのすすめ

ちょうど一年前の今頃、バングラデシュを旅行していた。
とりたてて特筆すべき観光名所も無く、まさに雑然とした都市と交通の要衝となっている船着き場、そしてお節介な人々が魅力の国であった。世界最貧国のひとつであるバングラデシュに住む人々は、格差とか収入差とか差別などの発想が入り込む余地もなく、ただただ、「おれ、そして家族」という信念のもと、生活に根を張ってニヤリと笑って人生をこなしているようだった。
首都のダッカを歩いていると、それこそ万の数のリキシャが走っているのだが、なぜかひとりのリキシャ夫と何度も何度も顔を合わせてしまい、そのたびに後ろに乗りこんで案内してもらった。
リキシャとは、人力車の自転車版のようなもので、自転車の後部を人が座れるように改造したものである。横に二人くらい座れるシートで屋根もついている。
と、ここまでバングラデシュとリキシャの事について書いてきたのは、僕がリキシャに乗っている時に撮った映像をここにアップできるようになったからである。はてなダイアリーの新機能で、youtubeを貼り付けられるようになったのだ。そこでさっそく使ってみたくなったわけだ。
ということで、僕が撮った「首都ダッカでのリキシャ目線映像」です。見つめすぎると酔うんで、離れて見てみて下さい。いや、どうってことないんですけど。
 
 


 
 

ここからは、あまりに少ないバングラデシュの旅行情報を。行く予定の無い人にはまったく無意味であります。
まず、ダッカでぜひ乗って欲しいのは、観光のハイライトであるショドル・ガットから出る客船である。これは船体両脇についた水車を回して推進力を得るという古き良きタイプの船だ。このタイプではおそらく、世界で商業運行している最後の船だと思う。
しかし、チッタゴン(Chittagong)やボリシャル(Barisal)まで乗っていければいいのだが、日程的にそこまでいけない人、あんまりダッカから離れたくない人は、チャンドプール(Chandpur)という中継地で降りるといい。だいたい3時間ぐらいの船旅が楽しめる。夕暮れの出航であり、広大なブリゴンガ川の水平線に沈む夕日、さらには沿岸にポツリポツリと見える街の光。それらを古式ゆかしい船に乗って眺めるのである。ちなみに、お願いすればコックピットに連れて行ってもらえる。
チケットの買い方だが、チッタゴンで降りる場合は街のBIWTCオフィスで買うのだが、チャンドプールで降りる場合は直接船に乗り込んで買うことになる。出航が18:00で、16:00頃になると船着き場に船が着いているので、そこで買う。値段は一等200タカ。個室は与えられないが、快適なので一等がいいと思う。
さて心配はチャンドプールに到着してからであろう。夕暮れ出航ということは、チャンドプールにつくのは夜の9時過ぎになる。よってそこからホテル探しとなるのだが、チャンドプールのホテル情報を日本で得るのは非常に困難であるため、ここで書いておきたい。
HOTEL RAJANIGANDDA
HOTEL PRINCE
だいたい一泊シングル200タカくらい。エアコン付きは300タカくらいか。
チャンドプールの船着き場からリキシャに乗って約30分。運賃はだいたい15タカ。延々と暗い道を通るのでかなり不安感を覚えるが、上記のホテルならほとんどのリキシャ夫が知ってるので大丈夫だと思う。

あと、雨期に東北のシレットなどにバスで向かうと、完全に道が水没している。湖のど真ん中の水面をバスで走るという恐ろしい経験が出来る。いつなんどき道を踏み外して川に落下するかハラハラである。

などなど。他にも何かご質問があれば、答えられる範囲でお答えしますので。観光という文脈ではまったくと言っていいほど話題とならないバングラデシュであるが、けっこう楽しいところなので行ってみて欲しい。僕はもう行かないけど。