鳥の糞から芽が出て実がなり

同い年の女友達と、池袋で飲んだ。
その居酒屋では、焼き肉屋のように七輪を持ってきてくれるので、その上で魚の干物を焼いたり出来る。
会話って口だけより、手と口を一緒に動かす方が盛り上がるので、焼かれる干物を弄りながらというのは心地がいい。
意識が分散される分、心の閂がゆるんで素直になれるのかもしれないし、目線のやり場があって落ち着くからかもしれない。
干物が無くなった頃合いで、店員さんが「箸休めに・・・」と落花生を持ってきてくれた。
その落花生の殻をやぶると、当たり前だが、豆が出てきた。
まじまじと眺めてみると、落花生ってパッケージ化されているのである。
さらに中の豆も薄皮で覆われており、さながら高級チョコレートの様な過剰包装ぶり。
そして豆は一口サイズ。その食いやすいようにされた配慮に感謝である。
こんなのって自然界にけっこうあって、すぐ思いつくところではバナナ。
あれ、皮をむくと実が出てきて、むいてないところがそのまま持ち手になる親切設計。
さらに思いつくのは、カニ。特に、カニみそ。
カニみそって、人間に食べられる為に存在しているのではと勘ぐりたくなるほどの「さあどうぞ」っぷりだ。
甲羅というフタをぱかっと開けると、下の甲羅は皿になっていて、真ん中にミソが盛りつけられている。
ちょっとした弁当のようだ。カニは、海が与えてくれた弁当です。
そう考えると、ウニの反抗心はすごい。あと、熱を加えられても最後まで抵抗、「もはやこれまで」とばかりにパカッと開く貝類の潔さ。生物としての矜恃すら感じる。
あ、ご存じの人がいたら、カニみその役目を教えて欲しい。脳みそではないだろうと思うのだが。