エピソード・マイナスⅢ

このあいだの話なんだけど、年下の女の子と飲みに行った。
やっぱり年下って気を使うわけで、だって二十歳とかだ。(ちなみに僕は28歳)
なんかね、30歳前にして、男ウマクビ、舞い上がってるわけですよ。ハズカシイくらいに。
でも、そんな自分を冷静に見てるようなところもあって、そこで気づいたのは「オレってウザい」という事。
ほんと、気づかなければ良かったと思ったけど、仕方ない。
で、どんな風にウザイかって、例えばさ、カフェで紅茶を頼むよね。ふつーに。僕はダージリンを頼んだ。彼女はストレートを頼んだ。
でさ、そこで言っちゃう。「お、ストレートできますか!ズバッと!」
もうね、ほっとけと。そこのおしぼりでも口につっこんどけと、ズバッと!
ぐわー。書いててさらに気づいたけど、オヤジじゃん!「じゃん」とか言うのもおっさんぽいじゃん!「最近、魚がうまくてさー」とか素で言ってしまったし。おおっと、でも、うまいよね、寒ブリとか寿司とか。そこは認めて欲しい。寿司のうまさは。
と脱線気味な文章でもご理解頂けるかと思うのだが、この調子で、「言わなくてもいい事を、詳細に語る」のである。
これはウザい。マツケンサンバくらいウザい。このときは、イタリア旅行の話を京成スカイライナーに乗るとこからはじめてしまった。メロンパンを買って意気揚々乗車したとか。窓際だったとか。
どうでもいいよ。限りなくどうでもいいよ、そのエピソード。せめて、イミグレーションくらいからはじめれば良かった。
その結果、リアクションに困る笑顔の前でさらに僕は舞い上がり、思考を働かせ、「無い」裏を読んだつもりになって右往左往するのである。どうにかならんか。ほんとに。