夜に書く文章

過去の座り心地について考える。
いままでの生き方の上に僕たちは座っている。座らされている。
なんだかグラグラしている。変なところに力を入れないとバランスがとれない。
希望と共に生まれてきて希望も持った子供となり、だんだん、気づけば退屈を感じ、怠惰になる。
夢はびっくりするくらい夢のままで終わり、基本的に人生は退屈なんだと気づく。
朝起きてテレビに挨拶し、世間を理解したフリをして、学んで働き、意義を作り出し、自分なりの理解を語り、つかの間の満足で心を癒す。
未来を見る。空を見上げる。希望を見る。真理を求めたり、人生もまんざらじゃないと思ったり。
前を見て歩く。いまを歩く。足を進めるうち、真理なんてだんだん口に出さなくなる。違う種類の真理を捜したりする。
人生なんて、やはり短い。手探りで何か見つける事ができるのか。
やっぱり後ろを見る。過去を見る。過去にいる人々を見る。
目を閉じる。
すると、振り返ってくれる人たちは、みんな笑顔。
みんな、笑顔だ。笑顔。笑顔。
あそこであった人、ここにいた人。みんな、悲しいくらいに輝く笑顔だ。
過去を見る。
不安と笑顔の量が、それぞれ増えていく。