パレード (吉田修一)

2LDKのマンションに、同居し共同生活する5人の男女。出会ったときから「さよなら」を前提としたような、どこか希薄で執着の無い人間関係。「友達ごっこ」と思いながらも、同時に「友達だから仕方ない」とも思う。そんな距離感の中で生きる若者を描いた、”怖…

 流星ワゴン (重松清)

「流星ワゴン」(重松清)を読了。非常に面白かった。過去と未来の狭間、出来てしまった亀裂の落ちて、上を見ても光がない。暗闇の中に過去が見え、後悔が見え・・・新しい過去に「出会う」。ほんと、狭間、それを描くのがすごく巧い。新作が出たら買う作家…

 妻と私 (江藤淳)

江藤淳さんの「妻と私」を、今更ながら読んだ。 慶子夫人に下った、末期ガンという診断。その傍らに付いて離れぬ看病をする江藤。妻の臨終から、江藤本人も病魔に蝕まれ、自殺という出来事に運ばれていく。その遺書には「脳梗塞の発作に遭いし以来の江藤淳は…

 人の砂漠 (沢木耕太郎)

昔使っていたカバンを引っ張り出して出かけたら、中に「人の砂漠」(沢木耕太郎)が入っていたので、また読んだ。改めて思ったのは、人が思いを仮託する、その対象物を抽出するのがとても巧い。と書いてみたが、あまりに当たり前の事で、まるで冗談を言って…

 ダ・ヴィンチ・コード (ダン・ブラウン)

ようやく「ダ・ヴィンチ・コード」を読み終わった。長い。 この作品の構造は、ものすごくシンプルでわかりやすく出来ている。キリスト教的ミステリーに重点をあて、人物と構造を単純化したのは意図的なのだろうと思った。

 牛への道 (宮沢章夫)

前に紹介させてもらった放哉の自由律俳句や古代ギリシャの恋愛術など、日々を生きて何かを見つめ続ける天才目線本。