2005-01-01から1年間の記事一覧

 妻と私 (江藤淳)

江藤淳さんの「妻と私」を、今更ながら読んだ。 慶子夫人に下った、末期ガンという診断。その傍らに付いて離れぬ看病をする江藤。妻の臨終から、江藤本人も病魔に蝕まれ、自殺という出来事に運ばれていく。その遺書には「脳梗塞の発作に遭いし以来の江藤淳は…

 人の砂漠 (沢木耕太郎)

昔使っていたカバンを引っ張り出して出かけたら、中に「人の砂漠」(沢木耕太郎)が入っていたので、また読んだ。改めて思ったのは、人が思いを仮託する、その対象物を抽出するのがとても巧い。と書いてみたが、あまりに当たり前の事で、まるで冗談を言って…

空の白球だけを追って

最近、とある人とのやりとりの中で「僕は十代の頃と同じことで悩んでいます」と言った。 まず、軽佻な発言はいまに始まった事ではない。それはさておき、僕の十代からの悩みが、ひどく抽象的であることに、ようやく気づいて愕然とした。 「抽象的な悩み」と…

 ダ・ヴィンチ・コード (ダン・ブラウン)

ようやく「ダ・ヴィンチ・コード」を読み終わった。長い。 この作品の構造は、ものすごくシンプルでわかりやすく出来ている。キリスト教的ミステリーに重点をあて、人物と構造を単純化したのは意図的なのだろうと思った。

品性とか郷土愛とか

なにやら韓国と中国が騒がしいことになっている。完全に構造的な反日となっているので、対象である日本人としては、まったく対応のしようが無い。まあ出来る事と言えば、事態をしっかりと見て、それぞれで考えるくらいのものだ。 前々回の日記で朝日新聞のこ…

古代中国の動物分類

ブラウザのお気に入りフォルダが壊れた。 カテゴリによって分類したサブフォルダが、全て無くなってしまった。 そもそも僕は、物事を分類するのが苦手である。 お気に入りのサブフォルダに関して言うと、その範囲の指定を大き過ぎず、小さすぎず、といった絶…

今週のSPA!(4/12号)

こう言っては何だが、僕は時事ニュースや社会情勢のほとんどを「週刊SPA!」から得ている。 SPA!の何が魅力的かって、全てのものを小馬鹿にするというスタンスで成り立っているところだ。 その神髄とも言える特集が6年くらい前に組まれていて、「クラバカの…

大人ごっこ

僕が小学生の頃、図書室に貼ってあったポスター。そこで紹介されていた本のタイトルを、いまだに覚えている。 「大人になりたい僕と、子どもになりたいお父さん」 なぜここまで鮮烈な印象を持って記憶しているかといえば、やはり当時の僕は"強烈に"大人にな…

 牛への道 (宮沢章夫)

前に紹介させてもらった放哉の自由律俳句や古代ギリシャの恋愛術など、日々を生きて何かを見つめ続ける天才目線本。

青酸カリに罪は無い

久しぶりに朝まで飲んだ。朝まで飲んだというか、隣に座った年上の女性にずっと説教をされていた。 曰く「ウマクビ君は夢見がちなんだよ!」「この偽善者!」といった感じである。 この二時間前から続く説教地獄だが、周りの人は誰も止めてくれない。 隣にい…

尾崎放哉の世界

尾崎放哉(おざきほうさい)という俳人をご存じだろうか。 種田山頭火と並ぶ自由律俳句の大家であり、貧窮のうちに生涯を閉じた孤高の人である。 放哉が詠んだ自由律俳句とは、文字制限(五・七・五)無し、季語無し、ルール無しの、まったくの自由な俳句の…

そんなに高い鼻は無い

前回と前々回の日記に多くのトラックバックを頂きまして、ありがとうございます。 思いもしなかった反響で、うれしいやら恥ずかしいやらです。 感想やお褒めのメールを送って頂いた方々、重ねてお礼を申し上げます。 えー本題ってわけではないんだが、正直に…

ペヤングの”ぺ”って?

前回の日記では、フマキラーの意味を確かめたところで満足してしまい、ペヤング・ソース焼きそばの”ぺ”とは何なのか?という新たな疑問を解決せぬまま終わらせた。 が、今日になって、俄然気になってきたのである。”ぺ”が。”ぺ”が僕を支配している。 そこで…

フマキラーはいかが?

前の日記でも僕がボケッとしがちである事に触れたが、どうも最近、それに輪をかけている。二重三重に。 症状としては、無意味にものを見つめる。ぼさ〜っと見つめてしまう。 いまも積まれている本を見つめて虚ろ状態になっていたのだが、どうやら「の」とい…

夜に書く文章

過去の座り心地について考える。 いままでの生き方の上に僕たちは座っている。座らされている。 なんだかグラグラしている。変なところに力を入れないとバランスがとれない。 希望と共に生まれてきて希望も持った子供となり、だんだん、気づけば退屈を感じ、…

僕は滑舌が良くない

今日、事務の川崎さんと話しているなかで「そんなバカな!」と言ったら、「あはは〜、”そんなバナナ!”って!」と笑われた。 言ってない。断じて言ってないよ。バナナ。そう聞こえたとしたら、あなたの耳がバナナなんだよ。 その場は躍起になって否定したが…

鏡の迷宮

オフィスで向かい合わせに座っている鈴本さんが、ここ三日間同じ資料を見続けている。 とある企業間通信のパンフレットなのだが、A4の一枚ものだ。 それを三日間、ほんとにずっと見つめ続けている。たまに、裏返して小首をかしげたりする。何かに疑問を持っ…

箱物お手盛り

会社の新年会お知らせメールに「ギター侍の様に、誰か同僚を斬って下さい。ひとりひとネタお願いします」とあった。 僕は新年会に行かなかったから、どのような状況だったのか分からないけど、ともかく、ちょっと毒づかせてもらうなら、あまりにも安易に提供…

泳げ肉まん君

僕はコンビニによく行く。プリンが好きだからだ。 最近、とくにプリンのバリエーションが豊かになってきて、豆腐プリンとか、牛乳プリンとか、はてはヨーグルトプリンなんていうどっちつかずなものすらあったりして、プリンコーナーは活況を呈している。 そ…

エピソード・マイナスⅢ

このあいだの話なんだけど、年下の女の子と飲みに行った。 やっぱり年下って気を使うわけで、だって二十歳とかだ。(ちなみに僕は28歳) なんかね、30歳前にして、男ウマクビ、舞い上がってるわけですよ。ハズカシイくらいに。 でも、そんな自分を冷静に…

鳥の糞から芽が出て実がなり

同い年の女友達と、池袋で飲んだ。 その居酒屋では、焼き肉屋のように七輪を持ってきてくれるので、その上で魚の干物を焼いたり出来る。 会話って口だけより、手と口を一緒に動かす方が盛り上がるので、焼かれる干物を弄りながらというのは心地がいい。 意識…

パンツをはいたサル

僕は長い間、「視線」について考えている。「目線」と言ってもいい。 とはいっても、「目は口ほどにモノを言う」とか、「目」が象徴する様々なものについて考察してるわけではない。 それを一生考えていても、なんの成果も残せないだろう。 僕が考えているの…

さあ、どっち!

ボタンの掛け違いというか、そういった手垢にまみれた言葉で表すのもなんなんだけど、と言いつつ”手垢にまみれた”っていうのが手垢にまみれてるんだけど、まあ、向かいに座っている鈴本さんという人が、微妙にズレていて困っている。 この人は僕と初対面の時…

一年の計の元旦の迷い道

アントニオ猪木は数多の名言を残しているが、そのなかに、「ピンチは一つのものではなく、いろんな厄介ごとが「ダマ」になってやって来る。だから、その「ダマ」をひとつずつ解きほぐしてやっつけていけばいい!」というのがある。そしてこれを実行して闘い…

 ぼくんち

西原理恵子原作の同名漫画を映画化。 まず言うと、僕は西原理恵子が大好きだ。とくに「ぼくんち」で見せる西原の世界観はすさまじい。「貧乏」とか「生きる」とか、とかく湿っぽくりがちなテーマを扱いつつ、それを突き抜けた「乾いた」ユーモアとカラフルな…

邯鄲の夢

「たけしのTVタックル」を見た。トップのVTRではスマトラ沖地震を特集し、現時点での犠牲者が18万人に上ると紹介。それを受けた形で、ビートたけしが珍しく長々としゃべった。 「スマトラ沖地震では、各国が争うように援助をした。でも、ゾマホン(あの、ゾ…

 ビッグ・フィッシュ

「お前のためを思って」と言う人がいる。 こういう場合、その言葉の真実はほぼ10割「詭弁」である。「エゴ」と言い換えてもいい。 でも、自分の親に「お前のためを思って」と言われたらどうだろう。 7割は「親のエゴ」なのかもしれないが、残り3割は「愛…

新潟愛憎

年末年始は帰省していた。 そのときの話をいくつか。 2日にナリちゃん(28歳男)と連れだってセールに行く。 ナリちゃんが12万円のウォレットチェーン(ズボンと財布をつなげる鎖ね)を買ったのだが、「繋げれる財布を持ってない」と言いだし、ユナイテッド…

ひとたびは世界にひれ伏す

うおー。 と、柄にもなく叫びで始めてしまったが、湯を張った風呂につかろうとしたら、それが冷水だった。 いくら僕が白痴だといえど、この真冬に水風呂に入ろうというわけもなく、給湯機が壊れていたのである。 やむなくビル管理会社に電話し、メンテナンス…